2008/09/20

Recommended Vinyl "Stanley Cowell"

ジャズピアニストStanley Cowellといえば
数えたらキリが無いくらいの名曲/名盤/名演と
素晴らしい記録がたくさん残っています。

Max Roachのグループでデビューを飾り
1970年代に盟友Charles Tolliverと興したStara Eastはあまりに有名ですが
彼自身の参加作/リーダー作はレーベルや国境を越え
数多くリリースされています。
今回はその中の一つ
Stara East設立以前にイギリスで録音された
『Blues For The Viet Cong』を紹介します。



Music Inc.にも参加していたJimmy Hopps(ds)も含むピアノトリオ編成。
1曲のスタンダードを除く全てがオリジナル曲で
どれも独特の美しさと激しさを内包する
Cowellでしか作りえない内容の一枚です。
録音されてから40年近く経つ今でも
似たような雰囲気の作品にすら出会ったことの無い、
それ程のオリジナリティ。

で今回聴いてもらいたいのがこの作品に収録された「Travellin' Man」






アルバムの最後に収録されたアフリカンな響きを持つ一風変わったこの曲。
録音当時はアメリカのジャズシーンで
アフロ・ミュージックを意識した作品は
それほど多く作られていなかった時期なだけに
視点の新しさにも驚かされます。

実は前回紹介したSound DirectionsSideBに収録されているのは
この「Travelin' Man」のカバーなんです。








シンセ・ベースとカリンバの絡みが
よりスピリチュアルに、より土臭いテイストに。

この曲は後にStrata Eastからリリースされたソロ作品でも
S.Cowell自身が再演しているのですが
本カバーが元にしているのはそちらのテイクの方。

どちらのテイクもリズムは強く入っていないので
このファットなMadlibバージョンは
正に待ち望んでいたトラックな訳であります。


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